アントニオ・ヴィヴァルディの世界

クラシック音楽を代表する名作曲家「アントニオ・ヴィヴァルディ」について解説しています

ヴィヴァルディのフルート協奏曲集(作品10)

ここではヴィヴァルディのフルート協奏曲集について、その特徴や楽曲の構成などを詳しく紹介していきます。

ヴィヴァルディのフルート協奏曲集は、史上初のフルート協奏曲集としても有名ですが、これはまさに、ヴィヴァルディが音楽史上において、偉大な功績を残した証明でもあります。
(なお、当時はバイオリンなど、主に弦楽器を独奏とする協奏曲が主体とされていました。)

また、このフルート協奏曲集は、アムステルダムの楽譜出版屋「ル・セーヌ」社から刊行されたと言われています。
当時の出版社にとって、この風変わりな、新しい思考要素を含む楽譜の発行は、大きな賭けでリスクを伴うことでしたが、「ル・セーヌ」社はすでに「調和の霊感」など、ヴィヴァルディの独創的な作品の数々を手かげており、信頼のもと、躊躇することなく協力したと考えられています。
こういった恵まれた環境があったことも、ヴィヴァルディのフルート協奏曲集が今も広く世に広まり、親しまれている根源にあると思われます。

フルート協奏曲集の構成

ヴィヴァルディのフルート協奏曲集は、全6曲から構成されており、第1番から第3番までは各々のモチーフからユニークな標題が付けられております。
また第2番(5楽章形式)以外は、すべて3楽章形式で作られております。

第1番ヘ長調「海の嵐」RV.433
<第1:アレグロ ヘ長調、第2:ラルゴ ニ短調、第3:プレスト ヘ長調>
第2番ト短調「夜」RV.439
<第1:ラルゴ、第2:プレスト「妖怪」、第3:ラルゴ、第4:プレスト、第5:ラルゴ「夢」、
第6:アレグロ>
第3番ニ長調「ごしきひわ」RV.428
<第1:アレグロ ニ長調、第2:ラルゴ ニ長調、第3:アレグロ ニ長調>
第4番ト長調RV.435
<第1:アレグロ ト長調、第2:ラルゴ ト長調、第3:プレスト ト長調>
第5番ヘ長調 RV.422
<第1:アレグロ・ノン・モルト ヘ長調、第2:ラルゴ・エ・カンタービレハ短調、
第3:アレグロ ヘ長調>
第6番ト長調 RV.437
<第1:アレグロ ト長調、第2:ラルゴ ト短調 第3:アレグロ・モルト>

これらの楽曲から、弦楽器で開花したヴィヴァルディの協奏曲創作の才能を、フルートで垣間見ることができます。
特に第1から第3番の3曲からは、部分的にも「四季」の曲調を連想させるような旋律が感じ取ることができるでしょう。

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