アントニオ・ヴィヴァルディの世界

クラシック音楽を代表する名作曲家「アントニオ・ヴィヴァルディ」について解説しています

ヴィヴァルディの「ラ・ストラバァガンツァ」

ここではヴィヴァルディのバイオリン協奏曲「ラ・ストラバァガンツァ」について、詳しく紹介していきます。

1713年、ヴィヴァルディはバイオリン協奏曲「ラ・ストラバァガンツァ」(作品4)を発表します。この曲は、全12曲から構成されたバイオリン協奏曲集で、ビバルディが名声を得た作品集の1つとなっています。また、<調和の霊感>作品3とほぼ同時期である、1711年から1715年にかけて発表されました。

なお「ラ・ストラバガンツァ」とは、「風変わりな」という意味ですが、当時の協奏曲の構成として、かなり斬新な曲調であったことから、この副題が命名されていると考えられます。

「ラ・ストラバァガンツァ」の楽章構成

1.バイオリン協奏曲第7番ハ長調 RV 185 Op.4-7
第1楽章:<ラルゴ>、第2楽章:<アレグロ>、第3楽章:<ラルゴ>、第4楽章:<アレグロ>
2.バイオリン協奏曲第10番ハ短調 RV 196 Op.4-10
第1楽章:<スピリトーゾ>、第2楽章:<アダージョ>、第3楽章:<アレグロ>
3.バイオリン協奏曲第11番ニ長調 RV 204 Op.4-11
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ>、第3楽章:<アレグロアッサイ>
4.バイオリン協奏曲第8番ニ短調 RV 249 Op.4-8
第1楽章:<アレグローアダージョープレスト>、第2楽章:<アダージョ>、第3楽章:<アレグロ>
5.バイオリン協奏曲第2番ホ短調 RV 279」Op.4-2
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ>、第3楽章:<アレグロ>
6.バイオリン協奏曲第9番ヘ長調 RV 284」Op.4-9
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ>、第3楽章:<アレグロ>
7.バイオリン協奏曲第12番ト長調 RV 298 Op.4-12
第1楽章:<スピリトーゾ・エ・ノンプレスト>、第2楽章:<ラルゴ>、第3楽章:<アレグロ>
8.バイオリン協奏曲第3番ト長調 RV 301 Op.4-3
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ>、第3楽章:<アレグロアッサイ>
9.バイオリン協奏曲第6番ト短調 RV 316a Op.4-6
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ・カンタービレ>、第3楽章:<アレグロ>
10.バイオリン協奏曲第4番イ短調 RV 357 Op.4−4
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<グラーベ>、第3楽章:<アレグロ>
11.バイオリン協奏曲第5番イ長調 RV 347 Op.4-5
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ・カンタービレ>、第3楽章:<アレグロ・モデラート>
12.バイオリン協奏曲第1番変ロ長調 RV 383a Op.4-1
第1楽章:<アレグロ>、第2楽章:<ラルゴ・カンタービレ>、第3楽章:<アレグロ>
 


第1楽章から第3楽章が、<急>・<緩>・<急>の構成となっており、アレグロからラルゴへ変化したり、アダージョからアレグロへと、変化に富んだ形式となっております。
(ただし、第7番だけが全4楽章形式です。)
なお、この「ラ・ストラバガンツァ」は「独奏バイオリンによる協奏曲」となっていることから、「調和の霊感」とは相違しており、技巧的な独奏とトゥッティが交互に入れ替わる特徴があります。
特に、第6番第1楽章アレグロの旋律は、ト短調の哀愁を帯びた曲調が印象深く、ビバルディ独特の音の世界に引き込まれてしまうような面持ちがある魅力的な曲です。
一方、第9番へ長調の第1楽章は、躍動感があふれるリズミカルなトゥッティと早いテンポで奏でられる独奏が響きあう構成となっており、特徴がよく表現された作品となっております。

演奏としては、やはりここでも、とりわけ洗練された巧みな独奏と、合奏を聴かせてくれる「イ・ムジチ合奏団」をお薦めいたします。

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