ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」

ここではヴィヴァルディの代表作でもあるバイオリン協奏曲集「四季」について、詳しく紹介していきます。

協奏曲集 作品8<和声法とインベンションの試み>「四季」

協奏曲集 作品8<和声法とインベンションの試み>(通称「四季」)は、本来、全12曲のバイオリン協奏曲集から構成されており、各協奏曲は各々3楽章の形式で構成されています。
特に日本をはじめ、世界中で有名な「春」「夏」「秋」「冬」は、この内の4つの協奏曲となります。
(なお「四季」という題名は、ヴィヴァルディ自身の命名ではないと言われております。)

楽器編成は、独奏バイオリン、第1、第2バイオリン、ビオラ、チェロ、チェンバロ、コントラバスなどの通奏低音が主体とされています。
特徴的なのは、各々の楽章には、「ソネット」が付随されており、季節感、情景、状況などの雰囲気を音で表現する描写的な楽譜内容となっているところです。

「ソネット」とは、プロバンス語に由来した「小さな歌」という意味で、13世紀には厳格な押韻構成(特別な効果を起こさせるための関連と響きを持つ形式)と特定の構造を持つ14行の詩を意味しています。
ヴィヴァルディの「四季」の場合、ソネットは、素朴な自然、理想的な広野、田園を表す効果がもたらされています。

また、当時のベネチアは、かつて東方海外への進出などで覇気にあふれ、栄華を極めた貴族達が、より精神的な充実と豊かさを求める傾向にありました。
その結果、内陸や地方の別荘などで田園生活を好むようになり、こういったベネチア貴族達の憧れが、まさにヴィヴァルディの作曲したバイオリン協奏曲集「四季」にも織り込まれております。

バイオリン協奏曲集「四季」の詳細

ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲集 作品8(代表作「四季」)は全部で12曲ありますが、そのうち、特に有名な6曲を詳しく紹介します。

(各楽曲をクリックするとそれぞれの曲の詳細へジャンプします)
協奏曲第1番ホ長調 RV.269 「春」
協奏曲第2番ト短調 RV.315 「夏」
協奏曲第3番ヘ長調 RV.293 「秋」
協奏曲第4番へ短調RV.297 「冬
(上記4曲が「四季」に該当します。)
協奏曲第5番変ホ長調 RV.253 「海の嵐」
協奏曲第7番 ニ短調 RV.242

なお、12曲のバイオリン協奏曲集には、この他に番号順に、
協奏曲第6番 ハ長調 RV.180「喜び」
協奏曲第8番 ト短調 RV.332
協奏曲第9番 ニ短調 RV.454
協奏曲第10番 変ロ長調 RV.362「狩り」
協奏曲第11番 ニ長調 RV.210
協奏曲第12番 ハ長調 RV.449
があります。

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