アントニオ・ヴィヴァルディの生涯

クラシック音楽を代表する名作曲家「アントニオ・ヴィヴァルディ」について解説しています

ヴィヴァルディの晩年(3)

ここではヴィヴァルディの晩年(3)として、1730年(50歳)以降の主な活動やエピソードなどを紹介していきます。

最期の栄光


フェルラーラでの惨事により、精神的にも身体的にもその傷跡が隠しきれないヴィヴァルディでしたが、それでも挫折から抜け出すように、1738年にアムステルダムの劇場100年を祝う演奏会に参加しています。
またこの頃、既にピエタのを教職者の立場にはありませんでしたが、1739年にはザクゼン選帝侯のフリードリヒ=クリスティアン公爵(王子)を迎える演奏会にて指揮をとるなどの華やかな舞台にも参加しております。
クリスティアン公爵が、わざわざ自分の演奏を聴くためにベネチアを訪れたことを知ったヴィヴァルディは、かつてたくさんの都市へ演奏旅行へ赴いた時には熱烈に歓迎され、自分の作品を高く評価してくれた、過去の煌びやかな日々を回想せざるを得なかったことでしょう。

これをきっかけに、まるでかつての勢いを取り戻すかのように、ヴィヴァルディは再び楽譜を書き始めます。
1740年には、ピエタのためにシンフォニアを作曲していますが、これはむしろベネチアとの別れを告げる作品になるのでした。

ヴィヴァルディのシンフォニア

シンフォニアとは17世紀初頭から18世紀中頃まで、歌劇の前奏器楽曲として作曲、演奏された交響楽となります。
以下に、ビバルディの残したシンフォニアの代表的な作品7曲を記します。

1.弦楽のための協奏曲 ハ長調 RV.109
2.シンフォニア ホ長調 RV.132
3.シンフォニア ヘ長調 RV.137(RV.543と同一とされています。)
4.弦楽のための序曲(シンフォニア)ト長調 序奏 RV.144
5.弦楽のための協奏曲 ト長調 アラ・ルスティカ(田園風)RV.151
6.弦楽のための協奏曲 変ロ長調 コンカ(法螺貝)RV.163
7.シンフォニア ロ短調 聖なる墓に(聖墓のそばに)RV.169

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