アントニオ・ヴィヴァルディの世界

クラシック音楽を代表する名作曲家「アントニオ・ヴィヴァルディ」について解説しています

ヴィヴァルディの「バイオリン協奏曲集(作品12)」

ここではヴィヴァルディの「バイオリン協奏曲集(作品12)」について、その特徴などを詳しく紹介していきます。

ヴィヴァルディの創作としては、最後の協奏曲集となったこの作品12は、6曲から構成されており、これまでの協奏曲と同様に1曲が3楽章で作られております。
ここでは、とりわけ特徴ある曲として「独奏バイオリンのための協奏曲 第1番 ト短調 RV.317」をの楽曲構成など詳しく解説します。
なお、第1番はバイオリンの教則本で取り上げられている背景もあり、バイオリン演奏を志す方々には言わずともよく知られたゆかりのある曲でもあります。

「独奏バイオリンのための協奏曲 第1番 ト短調 RV.317」

<第1楽章:アレグロ、第2楽章ラルゴ、第3楽章:アレグロ>
第1楽章アレグロは、2/4拍子のト短調です。
5つのトゥッティと4つの独奏パートから構成されております。
第2と第3トゥッティは、提示されたトゥッティとはまったく相違しており、なぜかビバルディとしては珍しくリトルネロではない形式としているところが1つの特徴となっております。
また、第4のトゥッティで提示されたトゥッティの第1動機を、最後のトゥッティで第2動機の演奏とするなど これまでのビバルディの協奏曲にはほとんど見られないユニークさが見られます。

第2楽章ラルゴは、3/4拍子のト短調です。
最初に17小節のトゥッティがあり、2つのトゥッティの間に独奏パートが入り、通常のビバルディの協奏曲の第2楽章によく形式化されている表現と思われます。
最後の7小節のトゥッティは、冒頭部のトゥッティが凝縮化されているものと思われます。

第3楽章アレグロは、 3/8拍子のト短調です。5つのトゥッティと4つの独奏パートから構成されております。
対比的に第1楽章とは相違しており、通常のリトルネロ形式となっております。また独奏パート美しく艶やかな旋律が含まれており、いつものヴィヴァルディの協奏曲らしい構成であると言えます。
また最後の独奏パートの箇所においては、移弦が必要となる特徴があります。

これらヴィヴァルディらしからぬ第1楽章を含んだ第1番ト短調ですが、ヴィヴァルディを知り尽くしたイ・ムジチ合奏団がどう表現してくれるのか、他の演奏と聴き比べてみるのも興味深いところです。

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