ヴィヴァルディののバイオリン協奏曲集「四季」

ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲集「四季」より第7番について解説しています

バイオリン協奏曲集<和声法とインベンションの試み>「四季」より

協奏曲第7番 ニ短調 RV.242

ヴィヴァルディの作曲した12曲のバイオリン協奏曲集には、すでに紹介した「四季」で代表する4曲の他に、まだまだ興味深い曲があります。ここでは「第7番」を紹介します。
なおこの第7番は、ヴィヴァルディがヨハン=ゲオルグ=ビンゼル(1687〜1755年)に献呈した曲と言われており、和音が含まれているため、演奏には高度な技術が要求される構成となっています。
この協奏曲では、第3楽章の独奏パート全てに二重終止の技巧を用いるので、ここでも更に高い演奏技巧が必要となる特徴があります。

<第1楽章 >
4/4拍子で、5つのトゥッティと4つの独奏パートからなるリトルネッロ形式となっています。
またトゥッティは、2つの動機からなり、これがうまく組み合わせられて他のトゥッティに使われています。
全体的には、短調が主体で構成された楽章です。

<第2楽章>
3/4拍子で、前半8小節、後半8小節の全16小節から構成されています。
なお、前半と後半には反復記号が付けられているため、実際には32小節の楽章となっています。
また、反復演奏をするに当たっては、装飾を伴った技巧を含めて演奏されるべき、との考え方が主流と言われています。

<第3楽章>
3/4拍子で、4つのトゥッティと3つの独奏パートからなるリトルネッロ形式となっています。
第3トゥッティでは、ヘ長調となりますが、それ以外のトゥッティは短調で独奏パートでも短調が多いため、第一楽章と同じように、短調が主流で構成されています。

なお、「四季」が含まれている12曲のバイオリン協奏曲集には、この他に番号順に協奏曲第6番 ハ長調 RV.180「喜び」、協奏曲第8番 ト短調 RV.332、協奏曲第9番 ニ短調 RV.454、協奏曲第10番 変ロ長調 RV.362「狩り」、協奏曲第11番 ニ長調 RV.210、協奏曲第12番 ハ長調 RV.449がありますが、どれも「四季」に代表される4曲に勝るとも劣らない、ヴィヴァルディらしい魅力的な曲集であると思います。

バイオリン協奏曲集「四季」の詳細

(各楽曲をクリックするとそれぞれの曲の詳細へジャンプします)
協奏曲第1番ホ長調 RV.269 「春」
協奏曲第2番ト短調 RV.315 「夏」
協奏曲第3番ヘ長調 RV.293 「秋」
協奏曲第4番へ短調RV.297 「冬」

協奏曲第5番変ホ長調 RV.253 「海の嵐」
協奏曲第7番 ニ短調 RV.242

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